今日は大雪の中、バスルーム解体の初日でした。

1年前に、古民家鑑定と伝統耐震診断と床下ロボットインスペクションを行った垂井のお家です。

寒いのに、お風呂を壊して良いんですか?とお尋ねしたら、「コンクリートブロック造で、逆に風呂場が凍るほど冷たくて入れないから、早い方が良い。」とのこと。

確かに、下の木造とお風呂部分は、たてに亀裂が入って、ちぎれたようになっています。昔の作りだからもちろん断熱材もなし。冬の寒さがコンクリートに蓄積され、それを放冷するのが浴室内である、という現実です。

 

寒さ対策だとついでにこのカワイイ壁も壊すしかないので、最後の見納めにパチリ。

中から見ても、外から見てもカワイイです。

外があまりの雪なので、埃が出ない程度に恐る恐る壊しているところ。ノコギリに掃除機の吸い口を当てて2人で壁をめくってみます。

作業効率が悪いように見えますが、最初はこれぐらい丁寧でないと、お風呂と洗面所だけの工事なので、残りを壊してしまうことになります。だからちょうど良い加減。

 

午後には、5人いた(水道+電気+ ガス +手伝い2人)スタッフがいなくなり、いよいよこれから大工1人でタイルの壁を壊し始めます。

息子さんが「親父、大工だったけど、こんなふうに筋交いがクロスで入ったり、胴縁が流してあったり、丁寧にやってたんだなぁ。」とポツリ。

 

こうした手仕事の「ホンネ」が見えると、こうして人柄が偲ばれて、モノがモノでなくなり、1種の手紙みたいな交流が生まれます。

私たちが古民家を好きなのは、圧倒的に、この「四次元」感覚なんですよね。