実家である家具店の、60年以上にわたるお客様より「ドアのレバーハンドルが壊れたから、直しにきてくれる?」家具スタッフから連絡がありました。

出かけてみると…ドアノブどころでない。この写真の風景。明治の古民家は寒いので、東のはなれで暮らしていらっしゃるそうですが、空き家としてもあまりに風格ある景色。

ドアはもちろん直すのですが、思わず、亡くなった叔父の話や、美空ひばりが墨俣町に来た話から始まり、建物の歴史や手入れの苦労話を聞き入って帰って来ました。

 

なんてったって、庭のソテツは80年以上前から大事にされていたものだそうで、相当な大きさです。冬にもかかわらず、下に立てば南国にいるかのような錯覚。

「私の小さい時分はね、まるで兼六園のように、ソテツの幹(?)に菰を巻いて冬を越させたものだよ」とご亭主(82)。

 

この家は長屋門まで残っており、まるでお城のような鉄の蝶番でケヤキの門扉が迎えてくれます。

 

80年、もとい130年変わらずたたずむ古民家を見ていると、100年の昔がまるで今のことのように思われて、おかげで今日も、それぐらい古い映画を探してNetflixを眺める晩です。