大日本報徳社の、日本で初の大講堂にあるキャノピー

 バス3台連ねて行って参りました。二宮金次郎を称える大日本報徳社。二宮金次郎は、日本で1番銅像になっている人物です。

81畳の畳を見下ろすとすごい広さと眺望。さすが明治建築。西欧の風を感じます。

本当はこの日、二宮金次郎の思想を学びに行ったのですが、建築の仕事の私は、ただただ圧倒! 「日本初の木造大公会堂。幅2m以上もある天井桟敷席…。新しすぎる!明治42年建設のこの場所では、最高で600人が集まって二宮金次郎の話を熱心に聞いたのだそうです。 

10数年前文化庁の肝いりで再生がなされた階段。

 建物を拝見していて、階段があまりにしゃんとしているので新しいのですか?と尋ねたら、国の指定文化財だから、文化庁の補助金を受けて作ったのだと言うこと。それまでには、階段は1つ完全になくなってただの吹き抜けになっていたそうです。

文化庁の補助金仕事なのか!と興奮している私を誰かが撮影してくれていました。

確かに、柱も床もきれいに磨かれて塗装がかけられています。まるで新品を持ってきたほどの美しさです。118年経ってこの美しさが出るのはさすが古民家…と言うよりも「木」という自然の力。

 天然素材の力ですね。

天然素材の行き着いたところが宝石だと思っています。

 

瓦も美しく修復されているが、一部の柱や梁が腐って、工事は大変だったそうです

 何が素晴らしかったかと言うと、窓です。この、半円ドームになった上げ下げ窓。元は外から拝見し、あまりの桟の細さに、私は鉄製だと思い込んでいました。

単調に繰り返してやるのはただ洋風なだけだと思っていたら…まだ電気の来ていない、アルコールランプの時代ですので、大講堂内に光を入れが明るくなるようにたくさんの量が配置されていたのでした。

 館長さんが、特別に開けてくださったのですが、もう…するッと動くんです!こんなに線が細いのに!

 

近くに行ったらバリバリ木造でした。

刮目すべきは当時の上げ下げ窓のパーツは、滑車で、砂袋で、麻の縄紐だと言うこと。これなら、私たちにも作れる!!アルミの上げ下げ窓ばかり見ていた私には衝撃でした。お恥ずかしながら初めて上げ下げ窓🪟を見ました。作ってみたい!!!✨

木枠も綺麗になっている。文化財の改修クオリティー✨✨✨
見ているみんなも思わず興奮、のスマートに開く窓。

 横枠の中は外せるようになっていて、調子が悪かったら砂袋の調節をすれば良いのだそうです。

この継ぎ目あたりから開けます。次回行ったら中を見てみたい…。鋲で売ってあるから無理かな…。

 この大日本報徳社は、静岡県掛川市にあります。ぜひ皆さん訪れてみて下さいませ。