岐阜県関市から「古民家再生総合調査」(旧・古民家鑑定)の依頼を受けました。

伺ってみたところ、明治以前の建築だそうです。地元の信用金庫の発祥の建物だそうです。

中庭には、「デザイン」で鶴瓶井戸まで設けてあります。(日常で使う井戸は裏にあります。)

100年の間に、所々改装が施されてはいるものの、この階段のようにトップライトとしてガラス瓦に変えてあったり、

「刃物の街」だからとして、刀の鍔(つば)で欄間が作ってあったり、

おそらく昭和に建てられたまだまだ現役の茶室があったりと、興味が尽きません。

なんでも関市はこういった「古民家を残して使って欲しい」という高齢の所有者様からの気持ちを汲み、「協議会審査を通ったもの」は寄付にて市が引き受け、管理をしているのだそうです。

そして、例えばこの建物は、岐阜高等専門学校の学生さんを交えたワークショップで、利活用の方向について探っているのだそうです。

これは、画期的な行為で、例えば私の住んでいる大垣市だと、「管理が大変だから(メンテナンスコストがかかる)」などと言う理由で引き受けてはもらえません。どうしても数が多いと言う事はあるのでしょうが、「特定の個人に利益を与えている」と批判を逃れることである気もしています。

その点、関市は積極的に引き受け、街の活性化の拠点として利用しようとしています。

観光誘致の話になったので、7月3日の「空き家ツーリズム勉強会」勉強会で官公庁がプレゼンをなさった内容をかいつまんで話しすると、「そんなに日本の観光は活況なんですか。知らなかった」とおっしゃっておられました。それをご存じないまま今の動きにつながっている事は大変素晴らしいので、ぜひ古民家再生協会としては、伝統耐震調査はもちろんのこと、関市の観光誘致のために一働きできないかと思っています。

私たちは民間企業ですので、赤字と言う事はあり得ません。市政であろうが黒字であればどんどん良い文化を残していくことができます。

今日の出会いを大切に、お互いのために私達の知識とネットワークをご活用できればと胸踊る想いで帰路につきました。