2022年2月6日、全国古民家再生協会のアメリカ支部が立ち上がりました。

アメリカ支部、発端は愛知県古民家再生協会の戸田工務店さんです。

もともと、讃岐の古民家再生協会香川の山倉建設さんが、アメリカのお客さまに初めて古民家を移築したのがきっかけ。その際は、アメリカの補助金を受けたり、アメリカで古民家鑑定が(英語版で)州に認められたり、素晴らしい業績を残されました。

その後、愛知県にも古民家の移築相談があり、香川の支部長が、丁寧にアドバイスしながら、三河湾からポートランドのオレゴン州立公園に茶室が移築されました。

その功績を讃えられ、今では、オレゴン州立大学と、アメリカの確認申請を古民家として下ろす検討がなされています。林野庁からも期待されているそうです。

 

記念の「世界と全国古民家再生協会のオンラインフォーラム」では、愛知の戸田工務店さん、ポートランド国定公園の日本庭園館長の内山先生、筑波大学の久保先生、カリフォルニアのTAKUMI Company のGale さんがそれぞれ、日本の少子化問題や空き家問題、古民家の活かし方などを発表なさいました。

 

その中で秀逸だったのは、愛知県古民家再生協会の解体技術の素晴らしさ、そして伝統再築士界の副理事・鶴谷一級建築士(兵庫)のその動画解説です。

 

記念フォーラムには200名が参加され、そのうち120人以上が外国の方。アメリカやカナダはもちろん、フランス、ベルギー…世界各国の方々が古民家に対する興味や質問を投げかけておられました。

 

ついこの間まで「古民家⁉︎そんなものを残すなんて酔狂な…」と言っていた公官庁や国会議員さん達は、今や、省庁の枠を超えて、古民家を支援してくださっています。これも本部の陰日向ないご尽力のおかげです。

先日の自民党本部における古民家「議員連合」懇話会では、「こんなに価値ある古民家を、海外にやってしまっても良いのか?」と言う意見がとうとう出たそうです。私が参加し始めた4年前は、「まぁ、確かに良いとは個人的に思ってたから、みんなでがんばり古民家の価値を高めましょう」位のノリでした。

それがここまで来たのか…。国の政策が動くほどのことかと、私でさえ感慨深いものです。創始者の井上幸一氏や、川上さん、河野社長はいかばかりかと感じます。今では国の支援策や方策に当たり前のように「古民家」と言う言葉が出てきますが、彼らが使い始めた言葉です。

日本の空き家では、7.2%が古民家です。実際に使われている古民家はもっとあるのではないかと思います。皆さんどうぞ これからも大事にしてください。