先日、古民家を活用した事業やその運営について、銀行さんから質問を受けました。
「お金を融資するまではいいとして、誰が古民家の代金や事業の資金を払うのですか?」
そこで、6月の岐阜例会で話し合いました。というのも、私たちが古民家のすべての受け皿であるような捉え方をする方も中にはあり、「古民家は、古民家再生協会が買い取って処分してくれるのだろう」と期待される場合が多いと感じるからです。今後そのような質疑があった時どのように答えて行くべきか?
結論はすぐにでました。
「国、市町村の助成金はたしかに頼れる時がある。
でも、その前に、何よりその事業者が経営ができるかが肝心だ。最初の立ち上げはもちろん、サスティナブル(継続できる)であることが大前提。古民家事業の成功は、やはり経営者その人の素質とたゆまぬ努力にあり、その人が資金を含めた責任を負担していくのだろう。」
…なんだそんなことか。そう思われた方もいるかもわかりません。
しかし古民家というのはあくまで成功の一つのかきっかけであり、古民家を使ったから経営の負担が軽くなっとか、手放しで成功が舞い込むとか、そんなことがあるはずはありません。
となると、古民家の魅力に溺れず、やはりなすべき事はなすとして、事業も建物のメンテナンスも、行っていただける方が古民家のオーナーにはふさわしいのです。そう思えば、古民家はやはり1つの「美しき厄介者」あり、壊れやすいイタリア車や、破れやすいオーガンジーの服で街へ出るようなものです。
所有者にもそれなりの余裕が必要なのかもしれません。
ただそうは言いながらも、一般の方が民泊事業などに取り組む時、経営サポートが受けられるシステムがこの協会にあるといいなぁと感じました。おいおい岐阜で実現して行けたらと思います。
ちなみに、大阪にはアントレプレナー(起業家)向けのプログラムが1,000円で受けられる素晴らしい建物がありますが、岐阜や名古屋はどうもそんなものを応援する仕組みが見受けられないので、非常に残念に思っています。