最近ご質問が多いので、皆さんのお知りになりたいようなことを書きます。

① 古民家解体は、予算が意外とかかる。

解体する時、通常は、建具や畳、瓦や土壁など 、分別すべきものを全部取り払ってしまうと、後は大きなショベルカーでガガガっと壊してしまいます。

しかし古民家の解体では写真のように、1本1本手で切り取るなどして壊す必要があります。ですので、材木を取り出すにも手間がかかるため、解体費用自体が高くなる可能性があります。

② 古民家解体に向いている家とそうでない家がある。

これは先日、古民家再生用の解体ができなかったおうちです。一見とてもよく見えるのに不思議でしょう。

理由は:

・住まなくなって20年近く経っており、瓦からの雨漏りや木製建具が壊れるなどで家の中に風雨が入り込み、柱や梁が虫に食べられていた。そのため再築の材料にする値打ちがなかった。

のです。正直、拝見した瞬間に残念だと思いました。

柱には太いケヤキが使われ、天井にも超巨大スパンの松の木が使われていました。このお家が状態の良い時に再生できていたら…と思います。所有者の方の判断の遅れが、家を再生不能に追い込んでしまいました。

③ 再生解体は、「もう一度この木を新しい家に使う」方に適しています。

何度も申し上げますが、古民家の再生用解体には手間がかかるのでお金がかかります。それを行ってでも得をする人とは、「古材にはお金で買えない価値がある」と感じている方です。

単に「解体費用を浮かせたい」「木は新しければ良いんじゃないの」と言う考え方の方にはあまり適しません。

私たちはかなり真剣に古民家を考える集団です。

協会(当方)の利益だけを考えて所有者の方に無理矢理何かを押し付ける事は決していたしません。もちろんセールスもいたしません。

皆さんの大切な資産である古民家がゴミとならないよう、わからない事は少しでも早くお気軽にご相談ください。日本の個性である古民家が1つでも多く残り、皆さまのお役に立てることを一同心から願っております。