2022年2月28日、垂井町と、一般社団法人古民家再生協会岐阜西濃は、「空き家等及び古民家の活用に関する連携協定」を締結いたしました。
早野町長とは、3年前にお会いした時からお話し合いを続けてきました。古民家について、町長ご自身も何かとお考えいただき、様々な結論を経て、当法人と連携していただくことが決まったそうです。片岡副町長は建築畑のご出身だそうで、お二人で身を乗り出して喜んでいただけました。
[代表理事・吉田雅一のコメントを全文掲載]
早野町長にお会いしてから3年が経とうとするこの日、垂井町と連携を締結することができ、岐阜支部一同大変嬉しく思っております。
折しもロシアがウクライナに侵攻し、世の中の秩序が激変しています。人道的、経済的、様々な心配がある中、私はもう一つよぶんに懸念していることがあります。
それは、ビザンツ帝国から伝わるキエフの歴史的建造物がよもや破壊されてはいないかという心配です。
セントポール大聖堂は守られているのだろうか。黄金の門も守られているだろうか。
戦争で人の心を打ち砕くには、身近な人の死の次に、故郷の風景や建物の破壊が効果的だと聞きます。
もしプーチンが、キエフという自国の原点を守りたいとか歴史を守りたいとかの理由からこの侵攻があるならまだ希望がありますが、万一、浅はかな、自己の利益やエゴのみで行っている侵略なのだとしたら、恐ろしい結末が待っています。
私にかの大統領の心を知る術もなく、ただただ、彼が、単に奪う人ではなく、産み出し国民に与える大統領であり、スラブ民族の残した偉大な遺産、積み上げたものの一つ一つを大切にしてくれる人であることを願うのみです。
ここ岐阜県でも、私の住んでいる大垣市や岐阜市では、第二次世界大戦による大きな破壊があり、古民家はほとんど残っていません。しかしここ垂井町はその戦火はかろうじて免れ、築100年を超える建物が散見されます。
そしてそれらは、戦後、戦勝国GHQ(アメリカ)により制定された現在の建築基準法に基づかない、日本の匠の技による、伝統工法で建てられた木造住宅です。
このような時代だからこそ、私たちは日本のアイデンティティーである古民家を、耐震性を持たせ現代の暮らしに合わせリノベーションすることで、日本の情緒や温かい精神性を残したいと考えています。