昭和13年に建ったお家の雨漏りの相談です。

80年前のガラスは、水の上にガラスをのせて冷やして固めていました。

こうして、ガラス越しの景色が絶妙に歪みます。

写真だと分かり辛いのですが、なまで見るとそれはもう素晴らしい優しい形です。

谷崎潤一郎氏が、著書「陰影礼賛」の中で、「ガラスほど風情のないものはない」と言っておられるのですが、それももう今は昔。こんな古臭いこと言われてもねぇ…。(笑) と、建築界の名著を若い頃読んで思った覚えがあります。

色気のないはずのガラスにノスタルジーを感じるのは、多分ほんとうに美しいものだからだとわたしは思います。古くはツタンカーメンの金のお面をガラスでコーティングした時代からあるガラス。それは現代のインターネット発明のような、素晴らしい人類の知恵の産物なのではないかと思います。