早稲田大学の先生が、古民家再生協会の全国大会でご講義下さいました。

安田昇先生。シュッとしたイケメンです。ご自身で設計事務所も開設していらっしゃいます。大学での実験を実務に活かしておられる、いわばマルチ人間。

落ち着いた広い会場(半蔵門のホテル)で、講義スタートです。

「燃えない木造」をテーマにお話いただきました。頭が良くてセンスの良い方が「防火といえばコンクリートや鉄しか選択肢がないのは嫌だ」という発想からの探求力。ここはセンスという名の好奇心が大切です。

たくさんのスライド写真のデザインが大変良く、準防火地域なのにたくさんの木を使ってある住宅の紹介からお話が始まります。

おしゃれな写真に飽きる頃には、土壁を燃やす実験や、効率の良い焼き杉板の作り方に絡めた防火性能実験、格子窓の有用性を物語る実験の動画。

そして最後には、その構造を後押しする建築基準法が定める仕様のスライド。

大掛かりな実験と実際の火事を、法律やデータの数字に絡めつつご解説。綿密な探求とともにプレゼンの組み立てが良いので、グイグイ頭に染み込んできます。ほぼ全員が建築業者である古民家再生協会の皆は「よく勉強になった!」。プロならばこんなことは知っておいて当然なのかもしれませんが、最新の研究を教えていただく機会は、そうそうありません。非常に良い時間でした。

今回は、理詰めかつデザインをも追求した本当に素晴らしい授業。古民家再生協会の技術がまた1つ向上した良い時間でした。