♫ 甍の波と〜雲の波〜

日本の瓦って美しいですよね。

さて先日行ってきた、雨漏りしている屋根の調査です。

築80年、写真の北面は、伊勢湾台風で瓦を3分の1ほど飛ばされてしまったそうです。

つまりリフォームをして58年。

そんな屋根は今こうなってしまいました。

瓦が積層の継ぎ目で割れて、薄っぺらいかけらがコロコロ落ちている大屋根です。

80年前の南面は、こう。

瓦に色むらもなく、飛んでいくふうもなく、シャン!としています。

同じ家の南と北でこんなに差が出るって、不思議ですよね。

考えられる理由は3つあります。

①北は、冬場の湿気や雪が残りやすく瓦が凍てつく。瓦に沁みた水分が凍って膨らみ、中から瓦を割っていく。(貫入と言います)

②伊勢湾台風後の特需で、いい瓦が手に入らず、品質の下がった瓦が葺いてある。

③元々、本普請(ほんぶしん)の際、悪い瓦は見えない北側に葺いたので、品質が元々悪めだった。

ちなみに品質が悪い、というのは、

・低温で焼かれて

・土の質(粘土質)が悪く練り締めきれていない。(産地の土を使うので、地域性が出ます。)

ことを言います。

それが80年分重なると、こうなっていくわけですね。

(雨漏りのシミ、わかりますか?)

雨漏りしてるとはいえ屋根裏が閉じられずこうして見えているのは、少しメリットがあります。

「しみた雨が表からも裏からも乾く」ことです。

どこまでいくらかけてなおそうか?

これから検討して行きます。