午後の実地試験は、2時間。

プレカット、つまり手刻みで材木の交差部分(仕口、と言います)がうまく作成できるか?を問う試験になります。

・材木に差込の突起(ホゾ)を作成

・ホゾを入れるためのほぞ穴を貫通

・その仕口を込み栓でより強固に。

・保存に楔(くさび)を打って仕口を固める

作業です。

10分の休憩を1度だけ挟んでの検定です。

会場では、「カンカン、コンコン、トントン…」という9人の作業の音が鳴り響きます。

聞き慣れた音のはずなのに、何かいいよと聞いたような高揚した気持ちになるのはなぜでしょう?

我ながら心の中のリアクションに驚いてしまい、考えてみたところ、あーそうか。普段私たちが聞いているのは、電動ドリルや電動くぎ打ち機、電動丸ノコの「ガルガル」「バシュッ」「ウイーン」という音です。手刻みといえど、試験でなければやっぱりそういった道具で作業します。

検定途中で思わず飛び出した、滋賀の大森支部長のアドバイス。

・ほぞ穴と込み栓の穴、どちらを先に彫るべきだったか?

・楔を打つ角度とその意味とは?

・墨だし(穴を彫る線引き作業のこと)

・のみを掘りたい場所に充てる時のスマートな方法

・玄翁(カナヅチ)の重さ

果ては、

・ノコギリの挽き方

・カナヅチの叩き方

まで!

みんなプロなので、わずか10分の説明でしたが、この検定は、試験とは言え、大工の要請も兼ねておりますので非常に有効なアドバイスとなりました。

(続く)