新年あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

新年おめでたいので、令和元年にボツになった

「多宝塔」プランをご紹介します。

岐阜支部の会員さんである田口建築さんが描かれました。

皆様ご存知の通り、建物の伽藍(がらん)や構造は、中国から教わった歴史があります。

しかし、はるか殷の時代より、中国は積み上げた文化を、政権が変わるたびに破壊尽くして次に進むと言う悲しい歴史をたどってきました。

今回の案件も「わが社の力を象徴するようなモニュメンタルな建造物を作ってほしい」と言うことで依頼が来たそうです。

五重塔ご提案したところ「面積がないから塔では迫力がない、平等院(あるいは天安門)のような面積のあるモノを。」と言われたそうです。

まぁ一言で申し上げると…ハリボテ感というか…まさに薄い…。

戸惑った田口さんは思わず、この多宝塔を提案したそうです。「伝統の建築物は、厚みがあるんだ。」と言いたかったのだそうです。

ハリボテといえば、私はイタリアのルネッサンス期の建物「サンタマリア・デッラ・ノヴェッラ協会」を思い出します。ギリシャのパルテノン宮殿から時代が1800年経って、進化どころか、正面だけ2Dで凝るファサード建築が出来上がったと知った時の衝撃は今もよく覚えています。

今の中国はそんな感じなのかなぁと思いながら、日本も人のことは笑えないと感じます。

歴史も深く、太く立派な構造を持つ日本の伝統建築を、今年も頑張って守って参ります。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。